

全国のバリスタが今最も注目していると言っても過言ではないチャンピオンお二人にインタビューしてきたでし!内容が濃厚すぎて、コーヒー業界以外の人にもぜひ読んでほしいでし!
2025年9月末に開催されたアジア最大級のスペシャルティコーヒーイベント「SCAJ 2025」で、サザコーヒーが日本コーヒー界の歴史を塗り替える日本初の「W優勝」という快挙を成し遂げました!後編は、「ジャパンバリスタチャンピオンシップ(JBC)」で優勝された本間啓介バリスタと、「ジャパンブリューワーズカップ(JBrC)」で優勝された飯髙亘バリスタ(2023年に続き2回目)にインタビュー取材をしてまいりました!
【前編はコチラ】
インタビューについて
本間バリスタはJBCで優勝されましたが、JBrCで優勝された飯髙バリスタはJBCにも出場され、セミファイナリスト(準決勝進出)としてのご実績をお持ちです。本インタビューの構成としては、「優勝の瞬間と競技内容について」、「今後の展望について」という二本柱でお伺いしました。両チャンピオンの姿勢やマインドは、バリスタのみならず、目標達成を目指す全社会人にとっても有益であると言っても過言ではありません!とても学びのある刺激的なインタビューでした!
なおJBC2025・JBrC2025における競技の模様は、以下のYouTubeからご覧いただけます。あわせてご参照ください!
▼【YouTube】JBC2025(本間バリスタの競技は3:50:00〜)※競技の概要についてはコチラ
▼【YouTube】JBrC2025(飯髙バリスタの競技は4:37:12〜)※競技の概要についてはコチラ
優勝の瞬間と競技内容について

本間さん、飯髙さん、W優勝の快挙おめでとうございます!!
まずお二人に優勝が決まった瞬間、最初に頭に浮かんだのはどんなことでしたか?また、その時の率直な気持ちをお聞かせください。

あまり覚えていないですね。コメントは結構前から考えていたんですが、優勝が決まった瞬間に考えられなくなって(笑)
でも一番嬉しかったことは、鈴木社長が表彰式に間に合って、家族と仲間とみんなで優勝を分かち合ったことですね。家族に好きなことをやらせてありがとうっていう気持ちですね。

もちろん優勝する気で臨みました。準備してきた通りにならなかったこともたくさんありましたが、優勝できてよかったです。
去年(JBrC2024)は負けてしまいましたが、敗因を理解していたので修正したんです。コンパルソリー・サービス(規定抽出)とオープン・サービス(自由抽出)の2種類があるんですが、どちらも80〜85点くらいできていたし、「イケる」と思いました。

勝利を確信された瞬間だったんですね。「イケる」と言えば、本間さん。優勝が決まった瞬間にガッツポーズをされていましたね。

実はコーチの三木隆真さん(KOFFEE MAMEYA Kakeru)からバックヤードで、「本当に自分でうまくいったら、(ガッツポーズを)やったら?」と言われたんです。僕は自分が共感していないことはできないタイプなんですが、それにはすごく共感したんです。
僕はスポーツが好きなんですが、例えば体操の演技が上手くいった時に、ガッツポーズしてるのを見たことがありますよね。あれは嬉しい気持ちの表現だけではなくて、「自分のベストを出した」という意味を含んでいると思っているんですよ。僕は日体大出身で、内村航平選手を近くで見ていたんですが、素晴らしい演技って印象に残りますよね。
決勝の競技については、自分自身も納得していましたし、三木さんとの話が頭に浮かんで、ガッツポーズをしました。

なかなか聞くことのできないビハインドザシーンですね!では、本間さんにとって今大会はどのような位置づけでしたか?
ファイナルでは「ご自身の原点のようなエチオピアとそれを押し上げたパナマゲイシャを使用し、10年のストーリーを詰め込んだプレゼン」と仰っていましたが、これまでの挑戦と比べて、特に違った点や心境の変化はありましたか?

今大会への思いは二つあります。一つ目は、鈴木社長が「40歳までは走りなさい。出ないと後悔する」と後押ししてくれたんです。私たち二人とも同じ生まれで、今年40歳の年なんですが、それが大きいですね。
二つ目は、前大会が終わった後にFBCの上野 登さんから、「このまま終わったら、子どもの教育に悪いよね」と、続けてほしいという愛のこもった応援メッセージをもらったんです。その二つが僕を突き動かしたんです。
過去の大会との変化については、WBCチャンピオンの井崎 英典さんからの言葉に影響を受けました。「世界チャンピオンになってその先に何がしたいの?それを考えた上で取り組むと違うよ」って言ってくれたんです。考えていたようで考えていなかった。
これまでは、自分が中心となってコーヒーの素晴らしさを発信することに満足していましたが、今回はその中心から一歩外に出ようと思ったんですよ。自分が中心で発信するんじゃなくて、自分がその何かを押したときに転がるようなことがしたい。例えば、生産者がこういうことしたからじゃなくて、自分がこういうことをするから発展していきたいよというメッセージ性に変えたんです。自分がキッカケになって、人の心を動かせたらいいなという考えになりました。それが大きな気持ちの変化と思っています。


井崎さんからのアドバイスがキッカケで、考え方をブラッシュアップされたんですね!
続いて飯髙さん。今大会JBCにも出場され、二刀流として結果を出されました。2024年ワールド・ブリューワーズ・カップ世界2位というご経験は、今回のブリュワーズの競技にどのような影響を与えましたか?

JBrC2023優勝。そしてWBrC2024準優勝。しかしJBrC2024では5位に…。前大会は正直納得のいかない終わり方でした。今年の初めに鈴木社長と会話し、また出場しようと決意しました。
敗因はわかっていたので、外部コーチの望月 幹太さん(JBrC2024ファイナリスト)に師事を仰ぎました。望月さんは僕よりもひと回り若いですが、自分より能力が高いと認識している人に助言を求めることに対して、年齢は関係ないと思っています。
課題であったコンパルソリー・サービスの見直しはもちろん、オープン・サービスでは世界大会でも通用する内容に構築しました。「ジャーニー(旅)」をテーマにしたプレゼンテーションなんですが、自分にしか起こり得ない話というより、(審査員の共感を促すために)自分が経験してきた内容にまとめることを意識しました。
器具では国内でコラボレーションしたツールをアップデートして世界大会でも使いたいと思っています。クオリティを改善できたことが良かったですね、

1年できちっと修正されたのはさすがですね!一般的に経験則が多いと柔軟に修正することは難しいと思いますが、しっかり動きを変えることができたんですね!

それなりに成功パターンがあり、日本大会での評価についてあぐらをかいていた部分があったため、どう打破するか考えました。外部コーチをはじめ「外の声」にしっかり耳を傾け、異なる視点を柔軟に取り入れたのが大きな勝因でした。

マインドセットの変化が大きく寄与したんですね!
続いて本間さん。JBCのプレゼンでは、「スペシャルティコーヒーを日本の文化に」というテーマで展開されていました。今後、スペシャルティコーヒーの文化を発展させていくためには、どのような対応が必要だと思いますか?

プレゼンでは最先端のものを飲んでほしいという切り口で話したんですが、飲み手の理解を深めるために、バリスタとして役割を伝えることに意識しました。生産者がどのような取り組みをしていて、どのような味で、また生産国に文化としてどのように根付いているか、バリスタはそれをしっかり理解し、味を引き上げて提供することが必要だと思うんです。僕は、そこまでの「道」を作ることが自分の役割であるというフレーズをプレゼンで使いました。
飲み手の理解が深まれば、飲み手のコミュニティからも派生すると僕は思っています。感動すると友達に言いたくなりませんか?共感したくなりませんか?人の心を動かすことができれば、きっとスペシャルティコーヒーの文化は広がると考えています。私自身、お客様への提供時に「美味しかったらみなさんにシェアしてくださいね」とお伝えしています。
だからプレゼンでは、最先端でわかりやすいコーヒーを提供するというストーリーに設計しました。

ご自身のバリスタとしての役割をしっかり認識されて、日常でも実践されているんですね!それがプレゼンのテーマに落とし込まれていたとは驚きです!まさに「競技会は日常の延長」ですね!

プレゼンのテーマと軸は、以前から決めていたんです。ただエスプレッソのパートの文字起こしだけで6時間もかかりました(笑)ただその作業が伝えたいことを突き詰められたのかなと思っています。
それとラテ!ミルクビバレッジではエチオピアを使用したんですが、私たちよりも前の世代の方の多くは、スペシャルティコーヒーの入り口がエチオピア(の豆)だったと思うんですよ。だから原点回帰への想いと、文化としてのコーヒーの起源を自分の体験に重ねて、ストーリーを練り上げました。ミルクビバレッジのテイストは、驚きのあるわかりやすいベリー系のフレーバーをしっかり引き出しました。
驚きや感動があれば入り口は広がる。広がれば「道」に繋がると思っています。

なるほど!ご自身の原体験がミルクビバレッジの味に反映されて、審査員にも意図が伝わりやすいように設計されたんですね。

思想やストーリーを語ることはどの競技者でも出来ることだと思いますが、味とのリンク、そして共感につながる形で表現することを大事にしました。それが審査員にも伝わったのかなと思っています。
それと私の場合、味が決まらないとプレゼンを描けないんです。自分が納得した味まで持っていけないと文字起こしができない。この味だからこそ言えること。そのスタンスは競技人生の10年間変えませんでした。

ご自身が納得した味だからこそ、本当に楽しそうで魂のこもったプレゼンが出来たんですね。
またシグネチャービバレッジについてもお伺いしたいのですが、方々から審査員の評価が高かったという情報が入っております。シグネチャービバレッジでは煎茶と玉露を使われましたが、昨今世界的にトレンドになっている抹茶を外した理由についてお聞かせいただけますでしょうか?

抹茶は粉ですから、舌の感じ方が変わりますので当初からレシピの構想に含めませんでした。
シグネチャービバレッジのコンセプトは、日本人ならではの打ち出し方だと思っているのですが、うま味と香りをしっかり表現することでした。おそらく審査員の評価が高かったと思われる点は、玉露の淹れ方・工程を審査員の目の前で演出できたからだと思っています。近年シグネチャービバレッジの傾向としては、事前準備してから提供することが増えているため、競技中に一部の工程を省略されることが多いです。スペシャルティコーヒーを日常に根付かせるというのが今回のテーマですので、自分でも実践できる、体験できるという「再現性」がポイントになります。ですから、競技中に再現可能な工程を全て披露できたことが評価に繋がったと思っています。

細部にもこだわり、一貫性のあるテーマに仕上げたんですね!
続いて飯髙さん!JBrC決勝では、プレゼンのテーマとして「ジャーニー(旅)」と設定されていましたが、その背景について詳しく教えてください。


テーマであるジャーニーについて、自分のストーリーだけではなく、「審査員のストーリーでもある」ということを強調したかったです。一般的にプレゼンやセミナーは、一方的なコミュニケーションになりがちだと思っています。競技時間の10分間を、審査員3人と僕を含めた4人で「没入感」のある空間を作りたいと考えました。
例えば、大谷翔平選手や高校野球の球児のプレーは映像からでも熱中するものがありますよね。プレゼンの手法には様々ありますが、僕は巻き込み型のスタイルを取り、みんなでコーヒーと向き合うような内容にしました。(競技者のうち)プレゼンテーションスコアが最も高かったですし、テーマ設計が奏功したと思っています。

なるほど!テーマ性とコーヒーの味の整合性を見事にアジャストされた結果なんですね!
また味についてですが、JBC準決勝ではパナマゲイシャ カルメン農園とコロンビア ロス・ノガレス農園、ブリュワーズ決勝ではパナマゲイシャ レリダ農園とアルティエリ農園の豆を使用されました。それぞれ選んだ決定的な理由は何でしょうか?.

JBCについては、飲み手に制約を与えない「ボーダレス」をテーマにしていたため、カフェインが苦手な飲み手への選択肢である、デカフェ(カフェインレス)をチョイスしました。僕はテーマを先に決めてから味(豆)を選定しているんです。

逆に僕は味から入るタイプなので、対照的なんですよ(笑)

もしデカフェの豆が使えなければ、JBCには出場していませんでしたね。
またJBrCでは、生産者の取り組みにフォーカスを当て、新たなコーヒー豆へのアプローチをしている生産者を選びたいと考えていました。パナマに赴き、レリダ農園では「アナエロビックウォッシュド」という新しいプロセス開発、アルティエリ農園では「コキート」と言われる標高2,000mを超える区画の栽培で初収穫があり、新たな取り組みを推進している両生産者を選びました。もちろん、競技では味の評価が8割を占めますから、美味しくなければ豆の変更も視野に入れていましたが、最終的にテーマと味を上手く調整することができました。

私個人の感想ですが、テーマありきで味を整えるのはかなり高度な技術であると認識していますが、テーマと味との擦り合わせにあたり、どのようにテーマとなるワードを導き出したのでしょうか?競技後のインタビューでは、飯髙さんは「(ワードが)降りてきた」と話されていましたが、どのように着想を得ているか教えていただけますか?

自分の経験から印象的なワードを抽出しています。特にプレゼンの導入部分では、審査員との距離感を縮めるために、難しい言葉を避け、共感を促しやすいワードを選ぶように心掛けています。

抽出にしても飯髙バリスタは発想が自由で豊かなんですよ。近くで見ていてとても感じますね。僕は教科書通りに進めるタイプなので、革新的な発想があまり出てこない。

お互い対照的な立場で、切磋琢磨し刺激し合うことはありますか?

結局カップ(完成した一杯のコーヒー)にしか意見の言い合いはしないですね。アプローチ(提供における一連の行動原理)は色んな考え方がありますから。

なるほど!互いに尊重し高め合ってきたからこそ、W優勝という快挙を成し遂げることができたんですね!
今後の展望について


最後にお二人には今後の展望についてお伺いしたいと思います。
まずは本間さん!来年のWBCはパナマです。プレゼンでは「農園主の思いを汲みテロワール由来の魅力を表現したい」と話されていましたが、WBCでもやはりパナマゲイシャのウォッシュドプロセスで勝負される方針ですか?

そうですね。現時点ではパナマゲイシャ以外の選択肢は考えていないです。各国のバリスタも同じことを考えていると思いますが、私とサザコーヒーと生産者の中で、他のバリスタとは違うことが言えるはずだと思っていますので、それを見つける旅ですね。自分でなければ言えないこと、自分のフィルターを通して何かが変わること、パナマゲイシャを使う意図など1年間通して考えていきたいと思います。

海外の審査員も、日本代表だからこその表現への期待もあると思います。その部分をどう調整されるかも一つポイントですよね。
続いて飯髙さん!ワールドブリュワーズカップ(WBrC)に向けて、テーマの選定やアプローチの仕方など、すでに検討を進めていますか?

前大会(WBrC2024)は米・シカゴで開催されましたが、来年はベルギー・ブリュッセルです。開催国に合わせて審査員も欧州中心の選出になるかと思いますが、ベルギーの気候条件やヨーロッパ圏の味覚を考慮して調整したいと思います。例えばヨーロッパ圏の味覚について、こちらが(アジア圏の感覚で)「ピーチ」と言っても、「プラム」と捉える可能性があります。ですから、味覚の異なる審査員に対して正確に伝わるように表現を工夫しなければいけないんです。

世界で戦うって本当に大変なんですね(汗)
また2027年に「World of Coffee」が東京で開催されますが、来年も再び二刀流でのチャレンジになりますでしょうか?

二刀流では出ません(笑)
ちなみに今回のSCAJで、JBCとJBrCの日程が重なっていることはとても重要だったんですよ。かなり体力的にも精神的にもヘビーでしたが、連日競技に臨むことの厳しさを体験でき、経験値として積むことができたのは良かったと思っています。

私は、来年JBCとWBCの間が10日しかないので、よっぽどのことがない限りJBCは出ません(笑)

鈴木社長のお考えも色々あると思いますからね(笑)
インタビューの結びとして、全国のバリスタのロールモデルになられたお二人へ、これから競技会を目指すバリスタに対してアドバイスはありますか?

楽しいで取り組んで欲しいですね。もちろん競技会ですので、ストイックに取り組む必要はありますが、それをも楽しむマインドセットにして欲しいなと思います。
それと、色んな人の気持ちを理解できるようになってほしいですね。農園主の想い、そして会社のサポートへの感謝、改めて実感しましたね。

僕はスケジュールを逆算してくださいと伝えたいですね。すでに競技会の日程が決まっているので、タスクの洗い出しと、いつまでに終わらせないといけないという期限を定めることが大事だと思っています。
それと目的意識。出場する方には、初出場から決勝経験者まで様々なステータスがあるかと思いますが、何のために出場するのかを具体的に決めるといいと思います。経験者に自分から師事を仰いだり、情報を取りに行くことが重要ですね!

今回のインタビューは、バリスタのみならず、目標達成を目指す全社会人にとっても大変有益な内容になったと思います!
貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました!
編集後記:史上初の「二冠」がもたらす意味とは?
サザコーヒーが達成した史上初の「二冠」。日本のスペシャルティコーヒー界に大きな影響を与えたことは間違いありません。この快挙の背景には、競技の頂点に立つバリスタの「技術」と「哲学」、そして「変化を恐れないマインドセット」が凝縮されていました。
勝負を分けた「心境の変化」と「外の声」
勝利の背景には、お二人それぞれのマインドセットの変化がありました。
本間バリスタの原動力は、40歳という節目での周囲の愛ある後押しと、WBCチャンピオン・井崎 英典さんの「優勝の先に何をしたいか」という問いでした。これまでの「自分中心の発信」から「自分がキッカケとなり、人を動かす」というメッセージ性に変えたことが、10年の競技人生で最大の変化であり、感動を呼ぶプレゼンに繋がりました。
また飯髙バリスタは、前大会の敗因を厳しく分析し、「自分より能力が高いと認識している人」としてひと回り若い望月 幹太さんに師事。経験則を捨て、「外の声」を柔軟に取り入れたことが、コンパルソリーの修正と、世界に通用するプレゼンテーマの構築に繋がりました。
これは、「成功体験こそ最大の敵」である現代において、自己を客観視し、変化を恐れない柔軟性こそが、チャンピオンに導く鍵であることを示唆しています。
「味」と「テーマ」から生まれる共感の道
お二人の対照的な取り組み方にも興味深い点がありました。
本間バリスタは「味が決まらないとプレゼンを描けない」と、味覚の納得を最優先。その味覚体験を、エチオピアや日本の煎茶・玉露といった「原点回帰」のストーリーに重ね、共感につながる言葉で表現しました。特にシグネチャービバレッジでは、「再現性」のある工程を目の前で披露することで、飲み手との間に文化を広げる「道」を作ろうとしました。
また飯髙バリスタは、「テーマを先に決めてから味を選ぶ」という高度な手法で、「ボーダレス」(JBC)や「ジャーニー」(JBrC)といったテーマを構築。テーマを「審査員のストーリーでもある」と捉え、「没入感」のある空間を創出する巻き込み型のプレゼンスタイルで、最高スコアを叩き出しました。
お二人は「カップにしか意見の言い合いはしない」と語り、アプローチの違いを尊重しつつ、最終的な「カップの完成度」で切磋琢磨することで、W優勝という快挙を成し遂げることが出来たのではないでしょうか。
世界への挑戦と全社会人への教訓
2026年はWBC(パナマ)、WBrC(ブリュッセル)と、それぞれが世界へと挑みます。世界大会では、審査員の味覚を考慮した表現の調整や、「他のバリスタとは違う、自分とサザコーヒーと生産者にしか言えないこと」を見つける旅が始まります。
そしてお二人は、これから競技会を目指すバリスタに対して、「楽しいで取り組んで欲しい」「スケジュールを逆算し、目的意識を持つ」というアドバイスをされました。
日本のコーヒー界が誇るこの「二冠」の哲学は、バリスタに対する勇気となり、また目標達成を目指す全社会人に対しては教訓や気付きを与えてくれました。
最後に、JBC優勝の本間啓介バリスタ、JBrC優勝の飯髙亘バリスタ、そして選手を力強く後押しされた鈴木太郎社長、サザコーヒーの関係者の皆様へ、改めて心よりお祝い申し上げます!
世界へ向けたお二人の挑戦が、日本のコーヒー文化をさらなる高みへと導くことを確信しています。今後のご活躍を心から応援しています!


